二時限目の数学の授業中に麻斗からメールが来た。

終わったあとの、十五分休みに中庭に来い

という素っ気無いもので、オレはそのメールにしたがって、チャイムがなって教師が出て行ってから、教室を出た。

中庭にいると麻斗は既に来ていた。

あいつ、どんだけ足が速いんだよ。

「何の用?」

「お前、覚悟できてる?明日だぞ・・・」

覚悟か。あぁ、代夏を振る覚悟ね。

「オレのタイミングじゃねぇか」

「伊織のヤツをしっかりふって来い」

そんなことを言うためにわざわざ呼び出したんだろうか?

「お前な、そんなにオレが信用できないかよ」

「出来ないね」

おっと即答かよ・・・。

友達にそんなことを言われると悲しいんですけど、

でも麻斗の見解は間違ってない。

オレは麻斗に嘘をついてるんだから。

好きじゃないと良いながら代夏を好きになった。

二人の大切なヤツに嘘を付きっぱなしだ。