「契約成立なら行くぞ」
「どこに?」
手を捕まれ、ひっぱられる形で立ち上がると、ハッキリとジュンの背中が見える。
見ず知らずの男なはずなのに、そのくらい至近距離にいることにさえ、ホッとしている自分が居た。
「バーベキューと飲み会が合わさったようなものをしてる」
「そこに行くの?」
「あぁ」
ひっぱられている腕は、力加減なんかしてくれなくて、少し痛いけど、歩くペースは私に合わせてくれているみたい。
ここへ来たときより、ペースが極端に遅くなっている。
「始めから、バーベキューに私を連れて行こうとしてたの?」
「あぁ」
それなら、そうと始めから言ってくれれば、すんなりと着いて行ったのに。
ホテルに帰るなら、ナンパ男に着いていったほうがマシ、くらいに思ったはず。


