もう、既に何も身に纏っていない私の体はとーちゃんを求めている。
首に手を回し、口付けた私の頭を優しく撫でてくれる。
たったそれだけのことで、憂鬱な日常が色付いてゆく。
「純麗。段々、綺麗になってくな」
「そう?」
「彼氏でもできたか?」
どうしてそんなこと聞くの?
私に興味を持ってくれてるんじゃないかと期待してしまう。
「いないよ」
「そうか」
“いる”と答えた時のとーちゃんの顔が見たくて、いつも嘘を吐こうかと悩む。
けれど、結局は“いない”と答えてしまうんだ。
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