壁に体を預け、一呼吸おいてから口を開く。
「私は純麗。1年で、学校は行ってる。声掛けられるって話を聞いて来たけど、間違いだったかも」
取り敢えず、覚えていたことだけを答えた。
「間違いじゃないよ!!まだ時間が早いだけ」
曖昧に話した言葉を理解しているってことは、この女もここで体を売っているってことだろう。
それなら、少しくらい話をしてもいいかもしれない。
「時間って?」
「ここは特殊な場所だから、昼間寝て、夜起きてるの。だから、日が落ち始めると声が掛かるよ」
あんまり、しっくりとこない説明だけど、なんとなくわかった。
「じゃあ、なんであんたは今の時間にここにいるの?」
「瑠伊!!」
「えっ?」
「名前!!瑠伊!!」
「あぁ。瑠伊はなんで?」
面倒くさっと思いながら、女の名前を呼んだ。


