突然の出来事に、一瞬何が起きたのかわからなかったけど、体が動かなくなったのは、この女のせい。
後ろから私に抱きついていやがる。
女にこんな風に抱きつかれると、気持ち悪いもんだな。
まぁ~男だったとしても、見ず知らずの人なんだから、それはそれで気持ち悪いけど。
私は力一杯、女の体を引き離し、
「一体何なわけ?」
と女を睨み付けた。
「私は瑠伊!!制服同じだから、一緒の学校だよね?話したくてさ!!名前は?何年?学校行ってる?さっきはあそこで何してた?もしかして新人さん?」
「ち、ちょっと待って……」
私と向き合った瞬間にマシンガントーク。
しかも、笑顔で……
私が止めなきゃ、次から次へと質問が出てきそう。
はぁ~とため息を吐いてから、
「取り敢えず、向こう行こう」
とさっきまで、もたれ掛かっていた壁を指差した。
「いいよぉ」
と気の抜けた返事をする女に、負けた気がした。
最後まで無視しきれなかった私の負けだ。


