寂しいけれど、仕方がない。 こうして、たまに会えるだけでも感謝しなければいけないんだ。 「純麗、こっちにおいで」 少し擦れた声で、私の名前を呼ぶとーちゃんは、ベッドに腰掛けたまま、両手を広げている。 とーちゃんが呼べば、純麗(スミレ)って名前が、物凄く素敵な響きに聞こえる。 とーちゃんにかかれば、すべてが魔法にかけられたみたいになってしまうんだ。