「じゃあね」
そして、足を進める。
「待てよ。金払ってない」
「もう払ってもらったから。ばいばい」
足早にその場を立ち去った。
ジュンは何回も待てと言っていたけど、私は止まることも、振り替えることもしない。
さっきみたく、足を進めることを戸惑うことも……
外に出ると、辺りはもう真っ暗なはずなのに、ネオンのせいで室内よりも明るく感じる。
カラオケ店だからかな。
6月も、もう終わろうとしているのに、夜になると肌寒い。
年中暖かい国に行きたいなと、叶うはずなんて到底ないような願いを抱きながら家へと歩いた。


