「思い出した」
ボソッと呟いたジュン。
それに男がどんな反応をするのかと固唾を飲んで見守った。
「なんだぁ~それならそうとさっさと言えよ!!忘れられたかと思って落ち込みそうだったぞ!!!」
ジュンの背中をバシバシと叩き、笑顔を見せた男にホッとした。
「うぜぇ」
それなのに。
やっと、穏やかなムードになったと思ったのに、ジュンがとんでもない発言をする。
馬鹿だろ?ジュン、お前馬鹿か?
なんでなわけ?
最近、馬鹿な男に縁があるの?
リュウにしろ、ジュンにしろ、相手が怖そうな人だとか警察だとか、まったく関係ない。
まぁ、リュウの場合はとーちゃんの知り合いだったわけだし、そういうお家柄ならビビらないのもわかるけど……
現にあのカラオケ事件では、1人で置き去りにされたのに無傷だったし。
でも、ジュンは違うでしょ。
いくらお父さんの友達だからって、この男に向かってうぜぇはないと思う。
「うぜぇ。って俺に言ったのか?」
ほらね、やっぱり、絶対怒るって。
「あぁ」
ハイテンション男の登場で何故か少なくなった野次馬。
隙を見て逃げようか?!
ジュンとおっさん相手にあたふたしていた警察官には、この男は止められない。
自分の身は自分で守しかないよね。


