「また無視するのかよ?!おい!!」



答えられない。



無視をしているんじゃなくて、どんなことを言えばいいのか、私には何が言えるのかまったくわからなくなっていた。



人って困った時にも泣きたくなるんだな。



零れ落ちそうな涙を必死に堪えている私に、おじさんは容赦なく言葉を続ける。



そして、追い打ちをかけるように、腕を力強く捕まれた。