幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

それなら、それでもいいか。

真由子に対して不思議な感情を覚えてからは、変に拘らず、素直にそう思えるようになって来た。

少なからずとも、やっぱり嬉しいから。

俺のことを、ここまで気にかけてくれている人の存在が。



ちょっと前までは、それを認めることができなかった。

と言うか、目を向けることすらままならなかった。

心優の幸せを願う気持ちと、どこかで諦めきれない気持ちの間で押し潰されそうになりながら、毎日を過ごすことに精一杯だったし、そのせいで、心が狭くなって、すっかり卑屈になってしまっていたから。



それなのに、その間もずっと真由子は、必死に俺を慰めようとしてくれていた。

冷たくしても、反応がなくても、凍り付いた心を溶かすために頑張ってくれた。



心優を完全に忘れた訳ではないけど、落ち着いて周りを見られるようになった今ならわかる。

あいつがどれだけ反省し、努力を重ねて来たのかを。

俺のことを思ってくれていたのかを。