幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

.......マジか?

思いがけない言葉に、心臓がバクバク音を立て始める。

うわ、どうしよ。 嬉しくて、顔がニヤける。



「ありがとう。超嬉しい。じゃあ、楽しみにしてる。」

「うん。って言っても、そんなにすごいのは作れないし、温人の好きな子供っぽいメニューになっちゃうかもしれないんだけど.....。」

「でも、田中さんが作ってくれるんでしょ? すっげー楽しみ。」

「そう?」

「うん。温人とももっと仲良くなりたいし、ぜひ、お邪魔させてもらうね。」

「じゃあ、次のシフトが出たら、横森君の都合に合わせる。」



恥ずかしそうに言う彼女の姿に、益々テンションが上がる。

あぁ、ヤバい。 俺って、今、どんな顔してるんだろう。

キモいくらいにニヤついてないか?

大丈夫かな.......



なんて、舞い上がっていたら、左足に妙な感触がした。

見ると、温人が俺の足にしがみついていて、抱きしめたくなるような可愛い言葉を発した。



「ママ? 友くん、バイバイ?」

「うん。」

「やだ。」

「ダメ。横森君は、もう戻らなくちゃいけないの。」

「友くん!!」

「え?」

「あ、そうだよ。前に約束したじゃん。名前で呼ぶって。」

「.......。」

「言いにくいなら、俺も『智沙さん』って呼んじゃおうかな。そしたら言える?」

「え? あ、うん.....じゃあ。」

「よし、約束。今からね。」

「へっ?」