幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

「何にも用意してなかったから、おにぎりだけなんだけど、良かったら食べて。」

「え、マジ? 嬉しい。ありがとう。」

「ううん。こちらこそ、今日はありがとう。.....って言うか、私、横森君には助けられっぱなしだから。」

「そんなことないよ、別に大したことしてないし。」

「してくれてるよ、いっぱい。」

「そう、かな?」

「うん。本当に感謝してる。」



面と向かってそう言われると、ちょっと照れてしまう。

子持ちとは言え、相手はキレイなお姉さんだし、今日の彼女の笑顔はいつもより柔らかで優しい。



でも、しっかり目を合わされると、こんなにドキドキするのは気のせいなのかな?

いや、違う。多分。

ううん、きっと違う気がする!!



けどさ、自分でもわかってんだろ?

だから、本気になっちゃダメだって.......



「あの.....もし良かったらなんだけど、今度、うちに御飯食べに来ない?」

「え?」

「あ、えっと、ずっと御礼したいなって思ってたんだけど、私に出来ることって、そのくらいしか思いつかなくて.....。」

「御礼なんていいよ。でも、いいの?」

「うん。横森君が良ければ.....。」