幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

「温人、お兄ちゃんの名前、憶えてる?」

「.......?」

「友くんだよ。」

「友くん?」

「そう。もう忘れんなよ。ちゃんと憶えてたら、また遊んでやるから。」

「うん!!」



全力で返事をする姿が、超カワイイ。

キラキラした目に吸い込まれそうになりながら、頭を撫でてやっていると、彼女が急に「あっ」と声を上げた。



ん? 何だ?

彼女はすごい勢いで部屋に戻って行っちゃったけど、俺はどうすればいいんだ?

取り残されて戸惑ってると、奥から彼女の声が聞こえて来た。



「横森君、ご飯、まだでしょ? ちょっとだけ待ってて。」

「え? あ、うん.....。」



.......って、だから、どうしたらいいいんだ?

とりあえず、温人をくすぐって遊んでやっていると、小さな紙袋を手にした彼女が、バタバタと慌てた様子で出て来た。



「あの、何にも用意してなかったから、こんなものしかできなかったけど、今からコンビニ行く時間もないかなって思って.......。」

「あぁ、うん。そ、そうだね。ありがとう.....。」



手渡された紙袋は温かかった。

もしかして、今、作ってくれたとか?

確かに、ここから店までは近いけど、今から店の反対側にあるコンビニに寄って戻れば、休憩時間をオーバーしてしまうかもしれない。