幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

それを聞いてニヤっとすると、温人は得意げに、無言でミニカーを転がし始めた。

何か悪くない気分。

これって、俺に興味を持ってもらえたってことなのかな?

嬉しくなって、玄関に腰掛け、その動作を真似してみたら、温人は満足そうに微笑んだ。

おっ、やったぁ。

上手く遊べてるかどうかわからないけど、何となくは仲良くなれてるみたいだ。



だけど、一緒に遊ぼうって言った割には、温人は自分一人で遊んでいるようにしか見えない。

なのに、俺がやめるとすぐ怒る。

おもしれ~、何なんだ、この反応。

やっぱり子供ってカワイイなぁ.......



彼女は、最初、困ったような顔をしていたけど、温人の様子を見て、だんだん表情が柔らかくなっていくのがわかった。

その顔は、店では見せたことがない安らぎに満ちた笑顔だ。

温人が嬉しそうにしているのが、やっぱり彼女にとっては、何よりの幸せなんだろう。



この空間に俺が存在することが不思議だ。

でも、今、この穏やかな空気を一緒に感じていられるっていうことは、二人に受け入れてもらえたってことなのかな。