幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

温人は目をまん丸にすると、ニコっと笑い、早速、ケースを開けて、ミニカーを取り出し始めた。

夢中になって、玄関先にミニカーの山を築き上げていく様が、たまらなくカワイイ。



「こら、温人! ここで全部出しちゃダメ。それから、ありがとうは?」

「ありあと。」

「どういたしまして。」

「本当にありがとうね。こんなに頂いちゃて。」

「うちにあっても誰も遊ばないから良かったよ。」

「あい。」

「.....ん?」

「あい。あい。あい。」

「え、お前、ちょっと.....。」



温人は俺に、ミニカーを手渡し始めた。

受け取らないと、怒ったような顔をして、次から次へと何台も差し出して来る。

仕方がないから、とりあえず受け取っていると、俺の手がいっぱいになった途端、今度は手首を掴んで、家の中に引っ張り上げるような仕草を始めた。

.......何だ?

これって、遊んでほしいっていうことなのかな?



「温人、ダメ。いい加減にしなさい。お兄ちゃん、ご飯食べる時間なくなっちゃうから。」

「俺はいいよ。」

「でも.....。」

「じゃ、ちょっとだけね。だって、お前、もう眠くなっちゃうだろ。」