幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

はるとも気に入ってくれたのか、すでに腕を俺の首に巻き付けている。

勢いでやってみたものの、いざ成功してみると、何だか不思議な気分だ。



「.....よこおり、くん?」

「ん? そっか、難しいよな、横森って。じゃあね、友哉って言える?」

「とおや?」

「惜しい。じゃ、友くんでいいか?」

「友くん。」

「そう。じゃ、お兄ちゃんは友くんね。」

「友くん。」

「よし、言えるな。」



彼女はそのやりとりを、呆気にとられたような顔で見ている。

あれ? ヤバい?

もしかして、俺、やり過ぎちゃったとか.......



「驚いた。」

「え?」

「温人が初対面の人にこんなに懐いてるの、初めてだから。」

「そうなの?」

「いつも私の陰に隠れちゃって出てこないのに、嘘みたい。」

「マジ? やったぁ。じゃ、なおさら、送らなくちゃなぁ、はると。」

「うん!!」

「ちょっと、もう温人!! 意味もわからないくせに。ねぇ、でも、ホントにいいの?」

「もちろん。」

「何か悪いな。ごめんね。」

「ううん。全然いいよ、気にすんなよ。」