幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

次の日のバイトは大学が終わった後からだったから、夕方に上がってしまう彼女と勤務時間が被るのは、一時間だけだった。

それでも、俺の顔を見ると、彼女はすぐにそばに来てくれて、今までに見たことがないような笑顔を見せた。



何だろう、この感じ?

もしかして、俺に対して、心を開いてくれたとか?

めっちゃ嬉しいし、二人で秘密を共有してるみたいで、何だかくすぐったい。

あぁ、やっぱり言って良かった.......




「昨日は本当にありがとう。助かりました。」

「そう? あのくらいならお安い御用だから、これからも遠慮すんなよ。」

「うん、ありがとう。」

「女の人一人だと、いろいろ大変なことってあるんでしょ? 仕事以外でも、困ったことあったら何でも言って。」

「.....え?」

「あっ、いや、変な意味じゃなくて、学生には暇なんていくらでもあるから、このくらいで喜んでもらえるなら、何か手助けできるといいなと思って.......。」

「横森君は本当に優しいね。」

「そんなことないって。」

「だけど、その気持ちだけで十分。私なんかに気を使ってもらえただけで嬉しい。」

「そう?」

「うん、本当にありがとう。」

「.....うん。」