幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

真由子は唇をギュッと結ぶと、布団を被って顔を隠した。

泣くのを堪えているのか、微かに頭を震わせ、黙り込んでいる。



「何か、飲む?」

「.....うん。あ、でも、ちょっと待って。」

「どうした? 辛い?」

「ううん。そうじゃなくて.....。」

「何?」

「あのね、私ね.....。あぁ、ごめん、ダメ。航佑と話が出来たら、言いたいことがたくさんあったはずなのに、こんなに優しくしてくれるから、何から言えばいいのかわからなくなって、みんな忘れちゃった。」

「何だよ、それ。」

「だって、嬉しいんだもん。まだ信じられないんだもん.....。」



真由子の声が、涙声になっている。

聞いていて、胸が熱くなるのは何故だろう。

俺の心は、真由子に動かされ始めているのかな.......



「それは俺も同じだよ。見た目だって全然違うし。」

「こ、これは.....。」

「似合ってるよ。その方がカワイイ。」

「.....ホント?」

「うん。俺は好きだよ。だから、顔見せて。」

「.......。」