幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

言ってみて、本当は自分でも少し驚いていた。

少し前まで、多少なりとも恨んでいた相手に、こんなことがスラスラと言えるなんて。



でも、恐らく、その時にはもう、俺の中に真由子を拒否しようとする気持ちはなかった。

純粋に真由子が心配だったし、何にも考えず、ただ助けてやりたいと思った。

弱々しい姿を見て、守ってやりたくなった。



そうしたら、自然にこんな言葉が出て、真由子に笑顔を向けることが出来た。

久しぶりに、誰かに対して、とても優しい気持ちになれた。



「そりゃあさ、正直、俺も驚いてるよ。こんな形で、真由子と仲直りするつもり、まったくなかったから。」

「.......。」

「でもさ、お前が俺のために一生懸命になってくれてるのはわかったから、もう許そうって、ずっと思ってた。」

「.....ほんと？」

「だから、いいキッカケなんじゃない？ サプライズがあったおかげで、何か話しやすくなったし、一気に距離が縮まって、よそよそしくならないで済んだし。」

「.....そう？」

「うん。」