幸せになる方法〜「ずっとそばにいたのに.....」スピンオフ〜

寝顔を見ながら、そんなことをぼんやり考えていたら、真由子が目を覚ました。

ゆっくりと瞼を開く様子に、ホッとする。

初めて見るナチュラルメイクのせいなのか、俺のイメージする真由子よりも、だいぶ幼い印象に見える。



「具合、どう?」

「大丈夫.....だと思う。」

「そう。良かった。」

「.......。」



おでこに手を当ててみると、やっぱりまだ熱い。

貧血気味のようだし、目つきも虚ろだ。

いくら何でも、このまま一人で帰す訳にはいかないか..........



「どうする?」

「え?」

「帰ったほうがいいなら送るし、休んでいきたいなら泊まればいいし。」

「.......。」

「ま、決めるのは、もうちょっとゆっくりしてからでいいけど。」

「.....いいの?」

「何が?」

「いきなり来て、倒れて、迷惑でしょ? なのに、航佑、すごく優しいから.....。」

「当たり前だろ。雨の日に、病人放り出す奴がどこにいるんだよ。」

「.......。」