ドロップアウト

「なんだ仁志来てたのか?」

微笑みながら親父さんが言ってきた。

…どうやら今夜は機嫌が良いらしい。

「お邪魔してます。」

と言って席に座るとお袋さんがご飯を持って来てくれた。

「いただきますッ。」

俺はご飯にがっついた。

十三のお袋さんが作る料理はいつも美味しかった。

俺がご飯を食べていると十三が台所にやってきた。

四人で夕飯を食べていると十三のコロッケに目がいった。

「十三お前これ食わねぇのか?じゃあ貰うぞ。」

そう言って十三のコロッケを食った瞬間

「ふざけんな!それ最後に食おうと思ってとっといたんだぞ!返せッ!」

と十三が怒りながら俺を掴んできた。

「だったらそう言えよ。」

「俺が言う間もなくオメェ食っただろうが!」

十三と俺の言い合いで夕飯の時間は過ぎていった。



あの頃の俺にとってこんなに楽しい夕飯は、十三の家でしか味わえていなかった。