【山口十三】

昨夜、親父に殴られた頬がまだ痛む。

気晴らしに外に出た俺。

親父には

「一歩も外に出るな。」

と言われたが…バレなければ大丈夫だろう。

そんな事を思いながら歩いていると、目の前に見覚えのある坊主頭が視界に入ってきた。

「龍崎〜!」

「おぉ、十三…何やってんだ?」

微笑みながら龍崎が聞いてきた。

「いやいやいや…それはオメェもだろ。」

「…確かに。」

納得する龍崎。

「ブルースでも行くか?」

「おぉ。」

頷きながら龍崎が答えた。


1番街を少し入った所に小さい脇道がある。

その脇道に入ると、全体的に青色で『ブルース』と看板に書かれた店がある。

俺達がよく行く喫茶店。

カランカラン。

扉を開けるとそんな音がする。