【米山康助】

「しかし、暇だねぇ。」

龍ちゃん・山さん・タマに俺が屋上で呑気な話しをしている時に山さんが伸びをしながらそう言った。

「喧嘩でも吹っ掛けに行きますか?」

タマが龍ちゃんにそう言った。

「アホか。売られた喧嘩はいくらでも買うが、喧嘩を無駄に売るほどシャバくねぇっつの。」

と煙草を吸いながら渋い顔で答える龍ちゃん。

するとタマは「ですよねぇ〜。」と言って腕組みをし、考え込み始めた。

そんなタマを横目に見ながら

「龍ちゃん、百円返して下さいよ。」

と龍ちゃんに言った。

「はぁ?」

いつもの様に龍ちゃんは借りたことを忘れてる。

…まっ、一ヶ月も前のことだから仕方ない。

「はぁ?じゃないっスよ!もうかれこれ一ヶ月たってますよ。」

「一ヶ月も前の事なんて忘れちまったよ。」

龍ちゃんが笑っている。

だが俺には奥の手がある。

「龍ちゃんが忘れても俺は覚えてるっスよ!」

俺はポケットからミニノートを取り出した。

…そう!これこそが奥の手!

俺はパラパラとノートをめくた。

「なにやってんだ?」

龍ちゃんがノートをのぞき見た。