カランカラン

「いらっしゃいませ~!」

定員さんが心の温まる素敵な笑顔をわたしに向ける。
なんか…まぶしい!

ここは、駅前の小さなパン屋さん“フレンチ”。

何回か入ったことがあるけど、いつ来てもなぜか懐かしい匂いがする。

気持ちも落ち着くし、また来たくなるようなところだ。

カウンターは少し奥にあって、手前にはズラリと色とりどりの美味しそうなパンがたくさんおかれている。

トレイも衛生に気を使っているのか、透明の蓋が着いたボックスの中に入ってる。

さらに奥には、いくつもの可愛らしいテーブルと椅子。

「すいません。えっと…アルバイト募集の紙を見て、来た者なんですけど…」

わたしは、カウンターの笑顔の素敵な定員さんに声をかけた。

「アルバイト希望の方ですね!中にどうぞ?」