先生は、わたしなんかのどこがいいのかな?
帰り道、頭の中には先生のことばかり。
…わたしもバイトしよっかなぁ…?
ちはるは楽しいって言ってたし、うちの学校はバイトOKだし。
本屋の前で足がとまった。
“求人雑誌”
あら。
なんて偶然。
どうせ暇だし、なんかやろっかな?
欲しいものがあるわけじゃないんだけどね?
求人雑誌を手に取り、会計に差し出した。
レジの女の人の手際はよく、ささっと袋に本を入れてしまうところがキレイだった。
わたしもそういう仕事がしたいな。
雑誌をペラペラめくりながら、あるページに目がとまった。
“パン屋フレンチ アルバイト募集中”
そこには、笑顔でパンをこねるおばさんたちが印刷されていた。
でもわたしがやりたいのは、パン作りじゃない。