そしてキミは花になる



帰ろ…。

時計が4時30分を指していた。
今日、ちはるはバイトがあるからさっさと帰っちゃって、掃除当番だったわたしは、帰る準備を行っていた。

イヤホンを耳に差し込んで、iPodの電源を入れてリュックをしょった。

ガラッ

「神田っ!手伝いに来てって言ったじゃん!」

そこには、会いたくて。…でも会いたくなかった緒方先生の姿があった。

先生は、肩で必死に息をしていて、何故かわたしが責められていた。

「いや…。掃除当番…で…」

って…
…違う!
なんでわたしが責められてんの!?
ってかあのくそ教師に自分で伝えに来いって言ったよね!?

まさか…。
あいつ忘れたのか?

明日、ぜってーしめる!

「ふぅ…。まぁいいや。とりあえず手伝って?」

いやいやいや!
なんでため息ついてんの!?
つきたいのはこっちなんですけど!?

しかも“まぁいいや。”じゃないし!
まぁよくないわ!!
自分の事を棚上げでよくここまで平然としてられんな!!

しかも…

「わたし手伝うなんて言ってないです!」

わたし以外にだって、生徒は腐るほどいるじゃん!

「わたし以外に頼んでくださいっ!」