「行ってきます」
靴にかかとが入ると、涙をこらえて学校に向かった。
「いってらっしゃい」
お母さんとお父さんの声に泣きたくなった。
ドアを開けるとそこには、雄がいた。
「おはよ」
雄は、どこか嬉しそうでどこか…
…切なそう。
「おはよう」
笑顔で返事を返すとわたしは、雄の横に並んで歩いた。
雄に手を繋がれのが
、正直いやだと感じる。
…でも雄に失礼だと思って手を握り返すことにした。
私たちは、教室にも並んで入る。
ずっと憧れてたシチュエーションのはずなのに、気分は浮かなくて。
どんどん落ちていくばっかり。
「愁芭っ…!」
声のする方に顔を向けると
今、本気で会いたくない相手が目の前に立っている。
「ちはる…。」

