大分落ち着いたわたしは、雄から離れた。
「で?愁芭、なにがあったの?」
優しく問いかけて来る雄にわたしは、昨日までの事を説明した。
もちろん、先生ってことは伏せて。
雄も同じ高校だから一応。
「んだよそれ。許せねぇ…」
わたしのために怒ってくれた雄がいてくれる事が嬉しくてしょうがなかった。
雄はわたしの唇をなぞった。
「痛かったよな?」
自分まで辛そうな顔をする雄。
「でも、そんだけ愁芭が愛してる男かー。ちょっと妬けるな」
わたしには聞こえないぐらいの声で雄が呟いていた。
「愁芭、そんだけそいつのこと好きなんだろ?」
静かに頷いたわたしに少しだけ悲しそうな顔をした雄がわたしを抱きしめて。
「気持ち、
伝えなくていいの?」

