ふぁ〜。眠ぃ。

「今日も相変わらず新は眠そうだな(笑)」

コイツは幼なじみの霧河 祥平。

「うっせ。」

いつもみたいに冷たくあしらう。

祥平はクールだねー。冷たいねー。と1人騒いでいた。

暫く歩くと学校の前にはすごい人だかりが。

そこへ黒塗りの外車が。

車にそこまで詳しくない俺でも分かる高級車だ。

車から降りてきたのはThe✩お嬢様って感じの初めて会う女の子だった。

その子を見た時に胸がぎゅっと締め付けられた感じがした。

そう。俺は名前も知らないあの子に一目惚れをしたんだ。

人混みをかき分けて教室に入る。

「新!B組に転入生が来るってよ!」

クラスメートの玲児が大声をあげながら入って来た。

「あっそ。俺には関係ないね。」

B組は俺のクラス。

あの子が来てくれたらいいな。なんて思っていたらチャイムが鳴った。

「席につけ〜!転入生を紹介するぞ!」

担任の音泉先生の一言で盛り上がる男子。

女子も目がキラッキラ…(笑)

「どうぞ。」

先生の一言で入って来たのは色白で手足がスラッと細長く背は低い一目惚れしたあの子だった。

「生田 樹南です!よろしくお願いします!」

可愛らしい声と愛らしい笑顔で男子も女子もノックアウト。

「席は…新の隣な!」

マジかよ!
ぜってぇ心臓もたない。

「お名前聞いてもいい?」

隣には樹南ちゃんが居た。
間近で見るとさらに可愛い。

「俺は晒村 新。新って呼んで?」

今までこんなに明るく話したのは初めて。
早速嫌われたかな?って後悔してると

「新ね?生田 樹南です!樹南って呼んでね〜♪」

話すのはまだ緊張するけど凄くいい子だなと思った。

休み時間になると男子全員が樹南の席に群がっていた。
女子はその人気を僻むかと思いきやなかなか話せなくてオロオロしていた。
すると。

「ね!生田 樹南です!友達にならない?」

女子はキラキラの笑顔で頷いて仲良くなったようだ。

また男子に囲まれた樹南を見るとなんだかムカムカする。
ムカムカが顔に出ていたのか玲児に『ヤキモチ妬いてんな?w』と言われた。

ヤキモチ妬くほど好きなのか。
なんて自問自答していたら休み時間が終わった。