「ありがとう、助けてくれて…」

「んっ、全然いいよ~!あの人達が悪いんじゃけ!」


独特の言葉…
広島出身かな?

「あたし、小野原結華。よろしくね」

「うちは三宅さきな(みやけさきな)!広島出身だから言葉変だけどよろしくね」

「やっぱり?広島ってなんかカッコイイ~」

「でしょでしょ!なんちゃって~」

「はははっ」

さきなちゃん…話しやすい。

「結華って呼んでもいい?うちのことはさきなで!」

「うん!わ、わかった。さきなっ」

「はぁい♡」

そこでキーンコーン…と、今までと変わらないチャイムが鳴る。


「座ろっか~」


自分の席に戻る。

あ、そうだ、さっきまで読んでた小説読もうっと。


「おはよおー!皆さん!」


と思ってたのに何故か担任の麻原先生が元気よく入ってくる。

「俺の朝は元気な挨拶から!きりーーつ 」

……先生の面倒くさい一面が知れたね。


皆がしぶしぶ立って、やる気のない挨拶をするだけで先生はニッコリして。

健気だね


そんなこんなでお昼休憩。

授業なんてオリエンテーションばっかりで、あまり、勉強しないからつまらないね。

チャイムが鳴ると同時に
「ゆーいーかーッッ
ご飯一緒に食べない?」
と言われた。

「いいよー」

と返事をして中庭に向かう。


ここには、陽が当たるいいベンチがある。

この前の探索で見つけたスポットなんだ。

それをさきなに教えて、ここで食べることに。


「さきな、パンなの?」

「そうだよー。まさか結華手作り!?」

「まさか、ママだよ」

「なんだっ」

「手作りだったら作ってもらおうとしたのに」

「へへー、残念でした(笑)」



…あれ?

今の声。