「大丈夫ー?芽依ってば、朝から災難続きだねぇ(笑)」


と飛鳥。


「朝?朝にも何かあったのか?」




男の子みたいなしゃべり方のこの子は、

夏木 樹里亜 (なつき じゅりあ) ♀

スポーツなら何でもこいの、ボーイッシュな美人さん。髪は、ダークブラウンのショートカット。

背が高くて、しゃべり方もカッコいいから、男子よりも女子によくモテるみたい。自分の名前はあんまり好きじゃないんだって。




「芽依ちゃん、わたしも放課後の書棚整理手伝おうか?」




優しく話しかけてきたこの子は、

春風 のの (はるかぜ のの)♀

その名の通り春風のようにほんわかとした女の子。イギリス人とのクォーターらしく、金色っぽいブラウンの髪を顔の横でふんわりとくくってる。

ちっちゃくて、顔も可愛らしいから、なんだか守ってあげたくなっちゃう。でも、実はあたし達4人の中では一番しっかりしていたり。



「のーのー!!あたしの天使ー!!」


唯一、優しい言葉をかけてくれたののに抱きつく。


「ひ、ひゃあ!め、芽依ちゃん?!」


急に抱きついたから、ビックリしたらしい。


でも、そんなところもかわ


ベシッ───


「こら、芽依。ののが困ってるでしょーが。離してあげなさい。」


「あ、ついでにまた心の声が駄々漏れだったぞ。」


樹里亜はともかく、笑顔なのに目が笑ってない飛鳥に、危機感を覚えたあたしは、すぐさまののから離れた。