「──さん、──いさん」


はあ、どうしてあたしだけ美形に生んでくれなかったの、お父さん、お母さん!


「──めいさん、──らぎめいさん!」


はっ!も、もしかして、神様はあたしに試練を与えたのか?!美形集団のなかに混じって根性きたえろ!的な?


うーわー、そうか、そうだったのか。なら、この蕪木芽依、誠心誠意つとめさせていただ


「返事をせんかぁぁぁ!!蕪木芽依!!!何回呼ばせる気だ!!!」


「うぇあ、は、は、はいぃぃぃ!!!!!」


ガタガタガタッ!


ビックリして、立ち上がってしまったあたし。


ヤバイヤバイ、出席確認始まってたのか。思考がいつの間にか斜め上にむかってたよ。先生、もどしてくれて、ありがとう。


「………蕪木、全部声に出てるぞ。」


「え゛」


し、しまった。つい、声に出してしまった。


「はぁ………ったく、おい、蕪木。お前、罰として今日の放課後図書室の奥の部屋の書棚を整理しろ。」


「えーーー?!」


「嫌だとは言わせないぞ。人の話も聞かず、ボーッとしているやつが悪い。」


うっ、そう言われると、反論できない………。


「はい………分かりました、やります。」


がっくりと肩を落として答えた。


「お前らも蕪木の二の舞にならないよう、気を付けろよー。んじゃ、かいさーん。」


そう言い残して、さっさと教室を出ていく先生。


教室が、だんだん賑やかになってかた頃、飛鳥と二人の女の子があたしの机に近付いてきた。