ひえー、せっかく目覚ましのおかげで丁度良い時間に起きれたのに!夢の事考えてたらこんなに時間がたっちゃうなんて!


あたしは今までにないくらいのスピードで着替えて、リビングへ向かう。


「お父さん、お母さん、弥生(やよい)、美月(みつき)、おはよー!んでもって、行ってきまーす!」


「ちょっと芽依、朝ごはんは?!」


お母さんの声が響く。


「ごめん、食べる時間無いからいいや!」





「気を付けて行ってくるんだぞー」


ながーい髪を結っている時に、新聞を読みながらお父さんが言った。


「りょーかい」





「どーせ間に合わないんだから、遅れついでにのんびり行けば?」


弟の弥生がニヤッと笑いながら言う。


「なーに言ってんの。急げばまだ間に合うし。余計なお世話!」





「芽依ねえ、今8時15分。ホントに遅れるよー?」


妹の美月の言葉にびっくり。


「うっそ、もうそんな時間?!ありがと、美月!」


あたしは玄関を飛び出して、自転車に飛び乗る。