家に着くと、即行で本を読み始めた。
あたしの予想を遥かに越える、ワクワクな展開に、胸を踊らせる。
勢いが止まらず、一気に読み進めていく。
そして、物語は佳境に突入─────
「ア、アレ?ページが真っ白………なんで?」
印刷ミス、とかかな?いや、でもこのあとのページ全部真っ白だし、それはないな。
どうしよう、出版社に電話してみようかな?
’そんなことをしても無駄だよ’
うーん、と頭を悩ませていると、ふと男の子らしき声が聞こえた。
”続きが読みたいなら、"ファントム"から物語の記憶を取り戻さなくちゃ。”
続いて女の子っぽい声もした。
な、なに?どこから聞こえてくるの?
キョロキョロと回りを見渡すけど、誰もいない。