学校の帰り道。
「ふんふんふんふんふーん♪ふんふふふんふーん♪」
ただいま、芽依ちゃんはちょーご機嫌なのです。
なぜかというと………
なんと、今日はあたしが長い間楽しみにしていた本の発売日なのです!
題名は、「新・アラジンと魔法のランプ」!
え、そんなのちっちゃい子でもどんな話か知ってるって?
ふふっふっふっ。違うのだよ。
登場人物はほとんど一緒だけど、みんなが知ってる話とは違う、全く新しいストーリーなんだ。
実は、この本はシリーズもので、他にもシンデレラとか、白雪姫とか、赤ずきんとかいろいろあるあるんだよ。
行きつけの本屋さんに着くと、一番目につくところにあたしのほしい本は置いてあった。
「おや、芽依ちゃんじゃないか!いらっしゃい。」
あたしに声をかけてくれたのは、この本屋さんのおばちゃん。
よく買いに来るから、名前を覚えてくれたんだ。
「やっほー、おばちゃん。今日は前からほしかっ本の発売日だから、学校終わってから急いできちゃった!」
「まあまあ。そんなに急がなくたって、本は逃げやしないのに。でも芽依ちゃんこのシリーズの本大好きだからねぇ。」
「まあねー笑。じゃ、おばちゃん、この本ください。」
「はいよ。税込みで750円ね。」
財布からちょうどぴったりのお金を出して本を受けとると、早足で歩いて帰った。