夢を見た。


白一色の広い空間の中。


ここは一体どこ……?


─やあ、待っていたよ。蕪木芽依(かぶらぎ めい)さん。─


やわらかなテノールの声が天井から降ってくる。


…?!誰、なぜあたしの名前を知ってるの?


─君は特別だから。こちら側ではね。─


特別?こちら側?なにそれ、どういう意味?


─うーん。今言えるのは、これだけなんだ。でも、必ず真実を知る時がくる。ゆっくりだけど、もうすぐそこまで運命の日は近づいているんだよ。─


はぁ?!よけいに意味わかんないよ。もっと分かりやすく説明してくれない?


─そうしたいのは山々なんだけど、もう時間がないんだ。ごめんね。─


だんだん、声が聞き取りづらくなってくる。


ちょっと待って、あたしにはまだ聞きたいことが……!


─大丈夫。いつか必ず……………─