「――というわけ」 あたしの話が終わると、無言で、もくもくと食事を口に運んでいた司が、カチャリとフォークとナイフを置いた。 それからゆっくりと水を飲み、「うーん」と腕組をした。 「あ……もしかして、こんな動機で芸能界に入ったこと、呆れてる?」 「……芸能界に入った動機もだけど、そんな動機でドラマに出たがっているということが……」 あたしは、しまった、と後悔した。 ――プロの俳優として、こんな動機許せない? つい、調子に乗って喋っちゃったよ……