――うわぁ、少女マンガの王道のようなベタな展開だけど、これはこれで、確かに少しキュンとするかも。 そう思った次の瞬間。 上条さんの右手が、あたしの髪に触れた。 「巻き髪姿も、かわいいね」 あたしの髪を、指でくりんともてあそぶ。 ――う、うわ…… 触れられている髪に意識が集中して、顔に血がのぼってくるのが分かる。 ――だめだって、これ、撮影だし!本気でキュンとしてどうするのよ、あたしのバカ!