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あたしが電話をかけた5分後。

スタジオの扉が、勢いよく開かれた。


横たわって死んだフリをしている司の姿が目に入ると、「その人」は


「キャーッ!」


悲鳴のような声をあげた。

その人は司に駆け寄って、


「いやぁ、死なないで! いやよ、だめーっ!」


司に、すがりつき、号泣しはじめる。


そのうろたえぶりと、狼狽ぶりは、たぶん、さっきのあたしと同じくらい。

いや、それ以上かもしれなかった。