「……意味不明だけど、分かったよ」


司は、血の海となっている「さっき倒れていた場所」に寝そべると、瞳を閉じた。


「まりんちゃん、一体何をしようとしてるんだい?」


不思議そうな顔をする名取さんの背中を押して、あたしはスタジオを出た。

一旦控え室に戻ると、


「名取さん、一生のお願い! 携帯貸して!」


と、顔の前で両手を合わせた。


「なんで?」


「いいから!」


ひるむ名取さんのポケットから、あたしは携帯を勝手に取り出した。