~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~


「えーっと……その……ごめん」


あまりにもあたしが泣き続けているので、司が謝ってきた。

スタッフの人たちも、少し困ったような顔をしている。


なにやってんの、あたし。

これは、ドッキリなんだから。

ドッキリ大成功で終了したら、

「もう、ひどいです~!」

って笑っていうのが、タレントとしては正解の反応なんだと思う。


でも、無理だった。


だまされて怒っているというわけではない。

ただただ、司が死んでしまったと思ったときの絶望感と、死んでなかったという安堵感が、めちゃくちゃに入り混じって、涙を止めることができなかったのだ。


「まりんちゃん、驚かせちゃったね。
ごめんね~。
以上、ドッキリ大成功ながらも、まりんちゃん大号泣でスタッフ『気まずい気まずい!』の巻でした~」


レポーターがおどけて言って、なんとか撮影は終了した。



けれど、その後もあたしは、涙を止めることができなくて――