「ちょうど明日、その『ランきゅん』の初めての撮影があるよ」


「えーっ、いいなー!!」


上条司ファンの玲奈が、心底うらやましそうな声を出した。


「サインもらったりとか……無理だよね」


「うー、ごめん、それは無理かな」


「だよね」



あくまでも、そこはお仕事の場。

サインもらったりとか、そういうことはできない。



「ああ、私も上条司とデートしたい!」


「そんなにいい?上条司って」


「どこからどう見てもイケメンでしょ」


「それはそうだけど」



鼻筋がすっと通っていて、涼しげな目元。

清潔感のある黒髪は、サラサラして。

どこか、知的な雰囲気のあるイケメンだ。


背も高いし、スタイルも良いから、

人気があるのは、まぁ分かる。