「そんな『もし』なんて想像したくないけど。まぁいいわ。もし、そうだとして」


「そのとき、あたしがまだ6歳くらいで。1歳くらいの弟がいたとして」


「まりちゃん、弟が欲しかったの? ごめんなさいね、一人っ子で……」


「もー!
だから、仮定の話だってば。
最後まで、話聞いて!」


もし、ママが離婚するとき、あたしが6歳で、弟が1歳で。

そうしたら、ママは、離婚して出て行くとき、どっちを連れて行くかとあたしは尋ねた。


ママは、「もちろん両方連れて行きたい!」と答えたけど、その後、

「でもねぇ」

と話を続けた。


「子どもを両方欲しいのは、パパも同じだと思うの。
ママが二人とも連れて行きたいって言ったって、それはパパも同じでしょ。
だから、もしかしたら、一人ずつ連れて行こうって話になるかもしれない」