目を丸くしたあたしに、司は「はぁ?」と眉をひそめた。 「だから、そういうんじゃなくて」 「恋愛対象ではなく、憧れの対象って言いたいの?」 「違うって」 「じゃあ、何なの!?」 「……母親なんだ」 「え?」 「御木本麗華は、俺が子どものころ、俺を捨てて出て行った、俺の母親なんだ」