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「ところで、あたしも、ずっと気になってたことがあるの」


ベッドの上で、壁を背に並んで腰掛け、司の肩に頭をもたれかけていたあたしは、

頭を起こし、司の方を向いてそう言った。


「何?」


司が、笑顔で首を傾げる。



あたしには、ずっと気になっていたことがあった。

聞こうか、聞かずに忘れるべきなのか、ずっと考えていたこと。

やっぱり、忘れることはできなかった。

きっと、たいしたことじゃない。

だから、サラリと教えてくれるよね。


「教えてくえるかな」


「隠し事は嫌いだし、何でも教えるよ」


その言葉に安心して、「あのね」と切り出した。