そんなことを思っていると、司が、あたしのことを、きゅっと抱きしめてきた。


「来年も、再来年も、ずっとこうして二人でいられたらいいな」


それは、あたしとまったく同じ気持ちで。

それがまた、あたしを嬉しくさせた。


カチ、カチ、カチ


時計の針が、静かな音を立てながら今年の終わりをカウントダウンして――

カチ


深夜0時を回った。


「あけましておめでとう」


大好きな人の腕の中で、新年を迎えて。

大好きな人のキスで、新しい一年を始める。


幸せだったけど――

この幸せが揺らいだのは、この年越しから、ほんの10分後のことだった。

あたしが、「あのこと」を聞いたのを発端に……