「――お母さんのいないときに、家に上がるのは失礼かとも思ったんだけど」 司が、ちらりと良くんの方に目を向けた。 「真崎君が、俺が来ないなら、『まりちゃんと二人で年越しします』なんて言うから」 司の言葉に、良くんが、 「まあまあ。 本当は上条さんだって、まりちゃんちに来てみたかったでしょ。 アイススケート場での撮影のとき、僕がまりちゃんのリッティと遊んだって話をしたとき、すごいジェラシーって顔してましたよ、上条さん」 と、おどけてからかい、 心なしか、司が赤くなっているように見えた。