とまどいながらも、そう決意したのに。

司は、ただ、あたしをぎゅっと抱きしめているだけだった。


「……司?」


そっと司の背中に手を回すと、司は、


「何もしないよ。ただ、こうしているだけ」


そう言いながら、あたしの頭をなでた。


「まりのこと大事にしたいから、急がない。
ゆっくり進んでいこう」