~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~

画面の中では、階段の踊り場で、司が女性とキスをしていた。


「そんなに観るなよ」


司は椅子から立ち上がると、あたしの方へ来て。

あたしの両目を、大きなその手で、ふさいだ。


「きゃ~、やめて~」


冗談っぽく騒ぐあたしに、司も「やめねーよ」なんて、笑いながら応戦。

こんな、じゃれあいの時間。

幸せで、幸せで。

なんだかもう、どうして良いか分からないくらい、幸せで。

なのに。

ううん、きっと、「だから」不安になる。

この幸せが終わるときが来たら、どうしようって。

ふいに、不安になる。