「手、出して」 そっと右手を差し出すと、司があたしの手の甲に、タオルをあててくれた。 「ありがとう」 司が、小さなテーブルを挟んだ向かい側の椅子に座った。 「あの、司、どこかへ行くところだったの?」 「なんで?」 「部屋から出てきたから。どこかへ行こうとしたんでしょ」 「ああ……お前のところに行こうと思った」 え…… 意外な答えに、少し戸惑ってしまう。